QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは、生活の質のことを意味します。
単に効率よく生活するだけでなく、自分らしく生きて幸せを感じたり生きがいを持ったりすることを重視した考え方です。
これは介護の現場では非常に重要な概念です。
というのも、単に利用者が必要とする生活介助やリハビリをするだけでなく、利用者が快適に感じたり、毎日の生活に喜びを持ったりできるようにサポートすることが求められるからです。
そもそも介護を必要とする高齢者は、運動機能や認知機能が落ちているため、どうしても気持ちが落ち込みがちです。
そこで、介護に携わるプロが積極的にQOLを向上させる努力をしていくことが重要です。
そのためにできることとしては、まず話をじっくりと聞くことを挙げられます。
今までの生活習慣や大事にしていること、趣味やライフワークとして行ってきたことを知ることで、その人に合ったケアができるようになります。
また、話を聞いてもらえるという気持ち自体が、その人の心を和らげるものとなります。
こうした情報を基に、柔軟に個別ケアをしていくことも大事です。
もちろん、施設として持っている介助の方針や手法というものがあります。
こうした一定の枠の中で、できるだけそれぞれの個性や持っている能力、感情などを考慮して介助のやり方や、どこまでサポートするかという範囲を決めることができます。
こうした配慮があれば、利用者は機械的なケアではなく、心のこもったケアだと感じることができてQOLの質向上につながるのです。